高千穂郷・椎葉山地域は、九州の中央部、宮崎県北部に位置する高千穂町・日之影町・五ヶ瀬町・椎葉村・諸塚村の5つの町村で構成されています。 総面積のおよそ92%が山林である当圏域は、わずかな農地を最大限に活かすため米や野菜・花などの少数多品目生産を行い、さらには畜産や林業を組み合わせることで農業経営の安定を図ってきました。
また林業経営のためのモザイク林の形成、棚田へ豊富な水を供給するための総延長500km以上の山腹用水路、伝統的な焼畑農業など、昔から独自の工夫をこらして農業と生活を営んできました。
こういった厳しい環境の中で暮らしていくために自然と共に神々を敬い生きています。この地では各集落で古来より神に捧げる舞・神楽が人々に受け継がれています。そんな日常の暮らしが世界的に重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域として世界農業遺産に認定されました。
人口 | 面積 | 主な特産品 | |
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高千穂町 | 約11,900人 | 237.54 ㎢ | 棚田米、高千穂牛 |
五ヶ瀬町 | 約3,500人 | 171.73 ㎢ | 釜炒り茶、しいたけ |
日之影町 | 約3,700人 | 277.67 ㎢ | ゆず、栗 |
椎葉村 | 約2,600人 | 537.29 ㎢ | そば、しいたけ |
諸塚村 | 約1,500人 | 187.56 ㎢ | しいたけ、はちみつ |
合計 | 約23,790人 | 1,411.79 ㎢ |
※人口は2019年10月現在
世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems(GIAHS):ジアス)は、2002年にイタリアに本部がある「国際連合食糧農業機関」(FAO)によって開始されたプロジェクトです。
世界農業遺産の目的は、近代化の中で失われつつあるその土地の環境を生かした伝統的な農業・農法、生物多様性が守られた土地利用、農村文化、農村景観などをまとめて「地域システム」として維持保全し、次世代へ継承していくことです。
「世界遺産」が、遺跡や歴史的建造物、自然など「不動産」を登録し保護することを目的としているのに対して、「世界農業遺産」は、地域のシステムを認定することで保全につなげていくことを目指しています。
認定地域は世界各国に広がり、2020年6月現在で22カ国62地域(うち日本国内では11地域)、高千穂郷・椎葉山地域は2015年に認定を受けています。
世界農業遺産 高千穂郷・椎葉山地域公式ホームページ: https://takachihogo-shiibayama-giahs.com/